TOP > WORKS > 秋田の家

WORKS

002

秋田の家

明暗と多様な場が凝縮された小さな住宅  

影に包まれた階段ホールの中心には漆黒のガラスアートが浮かび、外周からにじみ入る明るい陽光に呼応して微かに輝く。小さな空間の中に明暗と場とが凝縮された住宅。
公園越しに一日中大好きな電車の発着を眺めたい。そんな鉄道好きの家族のための住宅は、東側を除く三方は道路に、西側は道路を挟んで広い公園に面している。三方を道路に囲まれ隣家から離れているという敷地の特徴を活かし、西側の公園にだけ注目するのではなく、どの方向にも開ける方向性のないプランがよいのではと考えた。そして建主の要望は、緩やかにつながりながらも細かく分かれている空間で、それぞれがこもれるような場であってほしいというものであったため、中央に階段を配置しその外側を部屋が螺旋を描くように絡むプランとした。平面形状は敷地形状に沿ったシンプルな長方形で、階段の位置によりその外側を取り囲む部屋の大きさや形状が多様となっており、階段に沿って高さの異なる小部屋が連なっている。隣りあう部屋と部屋は、壁で仕切られる場合もあれば、扉でつながる場合、床の段差のみで仕切りがない場合など様々な関係がつくられており、部屋と階段の接点である開口部の取り方も一様ではない。外周部の窓は、公園に面した西側と陽射しの入る南側は高さや位置を考慮しながら大きめに、陽射しの入らない北側と唯一隣家に面する東側は小さめにとっており、窓と外部の関係に合わせて部屋を配置している。そして断面方向は、外観・内観共に仕上げと窓をストライプ状に積み重ねて高さ方向である基準をつくり、それに対して部屋の床レベルをスキップさせながら螺旋を描くことで、プライバシーを確保しながら窓から見える風景が多様な空間をつくっている。このようにして、光と影がつくるアーティスティックな家でありながらも、雪国の鉄道好きの親子が住まう小住宅が生まれた。