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桜と家桜に対峙する幹(柱)と枝(梁)

敷地の奥隣地、幼稚園の園庭で何年、何十年と亘って園児の成長を見守ってきた桜の大木。その堂々たる桜の大木に対峙するように、家族の成長を見守っていく象徴的な柱を空間の中心におくことから計画をスタートさせた。 3.5間×3.5間の正方形の平面四周に壁を立ち上げ、方形の屋根をのせた単純かつ安定した構成としている。屋根はこの四周の壁のみに支えられ、中央に配した太い幹(柱)は、枝(梁)を四方にのばし通路や座面、階段といった小さな床から居室のような広い床を支える役割のみ担い、屋根まで届かない、空間にそびえる象徴的な建ち方となっている。その幹を中心に空間をスパイラル状に積層させ、空間のあちこちから様々な表情を見せるその姿は、まさにこの住宅の空間における「大黒柱」となっている。一見すると貫構造のような線材の構造表現であるが、この床と最低限のプライバシーを確保する壁により面剛性をとっている。 採光については、屋根と壁の取合いに入れた横スリットから方形の天井面にリバウンドさせた外光が上方から降り注ぐようになっており、開口を極力抑えた空間は下にいくに従い暗く落ち着いた場となっている。

I’m home. no.96(2018年11月号)

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