
鶴見のリノベーション
戦前に建主の祖父がこの地に建て、90年代まで増築を重ねたこの建物は、その後家族構成も大きく変わり、空き家となっていた。敷地を訪れると、使われずに荒れてしまった建物の前庭には、その歴史を見守ってきた巨木が佇んでいた。その巨木と神棚が鎮座する趣あるしっかりとした造りの中心部の部屋はこの家が建った時に最初に建った部分だという。この二つを残して、朽ちかけた増築部分を取りはずし、敷地にポツンと建っていたであろう戦前の姿を思い描きながらリノベーション。解体はしても増築の形跡を活かしつつ庭との関係をつくる、過去の記憶と現代の生活が絡みあった空間。